Complete text -- "Well All Right〜ジャケ写も大丈夫?"

13 July

Well All Right〜ジャケ写も大丈夫?

 大人のロック!という雑誌では、最近流行の紙ジャケットCDの再発が話題として取り上げられていました。それで、ちょっと気になったのですが、Blind Faithのジャケットは、児童ポルノではないのでしょうか。ご存じない方は、アマゾンで「ブラインド・フェイス」を検索して下さい。
 どう見ても、18歳以上にはみえませんし、これで十分性欲を刺激させ興奮させるものといえるのではないでしょうか。実際、LPのときには、一時、ジャケットを茶色の紙で挟み込んで、みえないようにして販売していたこともありました。他の国はどうかなと思って、amazon.deとamazon.comをみたら、uk版は、デラックス版と称して、ジャケットの下部5分の2くらいをマスクして、胸の位置には"Deluxe Edition"と文字をいれているのですね。ドイツは、メンバーの写真と名前のものに変わっています。
 やっぱし児童ポルノの規制が厳しいところは、ジャケ写といえども、このような工夫が必要なのでしょうか。それとも、本当は問題がないのだけれども、たまたまオリジナル・ジャケットがないのでしょうか。

#amazon.co.jpを児童ポルノ陳列罪で検挙しないのでしょうか。

## 表題の曲よりPresense of the Loadとか、Can't Find My Way Homeとかが好きです。
12:06:18 | dolus | | TrackBacks
Comments

kumakuma1967 wrote:

amazonでスコーピオンズのvirgin killerを検索してもジャケットのイメージがでません。多少配慮してるところもあるのかもしれませんね。
 どのへんに線が引かれてるのか...
07/13/05 17:34:42

奥村(大阪弁護士会) wrote:

これですか?
http://images-jp.amazon.com...
 これくらいのサイズでは、児童の実在性がわかりません。

 今年になって国会図書館も児童ポルノ写真集を引っ込めているくらいですから、ますます厳しくなるんじゃないですか?

 東京高裁によれば児童ポルノ公然陳列罪は継続犯だそうですから、現行犯で通報しますか?
07/14/05 18:29:34

奥村徹(大阪弁護士会)です。 wrote:

 訴因特定の問題として、児童のなんらかの特定は必要ですよ。でないと、どの姿態について、児童性とか実在性を主張立証されるのかわからない。
 しかし、児童ポルノの場合、問題になる児童ポルノ(写真・cdrom・ビデオ)が特定されると、その中に出てくる数人(範囲が限定されてますよね)について児童ポルノ性が問題になっているのはわかるのですから、被害児童の人定までは必要ない。
 だから、別に訴因に「甲野花子」だとか「推定年齢14歳、丸顔、身長120cmくらいの女性」だとか書かなくても、審判対象や防御の範囲の点において不都合はない。
 と、いまでは、奥村弁護士が理解しているのだから、もはや問題になることはありません。

大阪高裁平成14年9月12日
論旨は,訴因について,(1)併合罪であるはずの複数の販売行為が包括一罪として記載されている,(2)被撮影者ごとに本罪が成立し得ると考えられるのに,単に写真集のタイトルが記載されているだけで,どの被撮影者の写真が児童ポルノに当たるのか不明確である,(3)個々の被撮影者を特定する必要があると考えられるのに,「児童ポルノである写真集4冊を販売した」旨記載されているだけで,被撮影者の数やその特定事項,更には,全被撮影者の各写真が児童ポルノに当たることが,具体的に記載されていない,(4)「実在」の事実が氏名,年齢,人相等を用いて具体的に記載されていない,(5)どのような児童の姿態が「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により蒸識できる方法により描写した児童ポルノ」に当たるのかが,具体的に記載されていないとした上,そうであれば,本件公訴は元来棄却されるべきものであったのに,これをせず,有罪の判決をした原審裁判所の措置には,不法に公訴を受理した違法及び判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある,というのである。しかしがなら,(1)の点については,仮に,検察官の意思が所論のとおりであるとしても,本件訴因は各販売行為ごとに特定されており,何ら特定を欠いてはいない。また,(2)及び(3)の各点については,いずれもその前提が失当であることは既に説示したとおりである。次に,(4)の点については,児童が,本件でいえば,写真撮影時に実在していたことが当然の前提であり,しかも,その写真が存在することによってその時に実在していたことも明らかである上,前記一覧表番号1ないし3の各写真集は,いずれも1名の児童を主対象として撮影されたもので(この点,所論は,被撮影者は日本人ではなく,各写真集に表示された人名が被撮影者の氏名であるとは限らないし,上記写真集3冊の被撮影者は合計23名もいて,1名のものはないと主張する。しかしながら,芸名等であっても特定に用いることができるし,また,より多くの写真が掲載された被撮影者が主対象の児童であることを当然の前提としている。),これらの児童がそれぞれ訴因の対象となっていることも訴因の記載から明らかであって,原判決が説示するとおり,本件訴因の特定は,検察官が起訴当時の証拠に基づきできる限り特定したものであるといえる。さらに,(5)の点については,所論のような記載は何ら必要でない。なお,所論は,
1被撮影者数を明らかにし,これを特定する必要がないとすれば,児童ポルノ法12条や同法13条の児童への配慮や児童の保護規定は無意味なものになる,
2訴因が不特定のため,被告人側は全被撮影者の写真について児童ポルノに当たるか否か広範囲の防禦活動を強いられたなどと主張する。
しかしながら,1の点については,被撮影者の実名や所在等が明らかである場合には,それらの規定は無意味なものにはならない。
また,2の点については,原審検察官請求証拠に照らせば,検察官が本件各写真集のどの写真に着目して児童ポルノと判断して起訴したかは明らかであるから,被告人側の防御活動に差し支えがあったとは静められない。したがって,所論は採用できない。この論旨も理由がない。
07/15/05 11:00:35

dolus wrote:

だから、
「写真撮影時に実在していたことが当然の前提であり,しかも,その写真が存在することによってその時に実在していたことも明らかである」といっているじゃないですか。被写体が「児童」といえればそれでたりるのではないですか。
07/15/05 12:38:20

奥村徹(大阪弁護士会)です。 wrote:

 陳列と提供の場合は、普通はそれで足りると思います。製造罪は別。

 実在性を「児童」に読み込んでしまう判例と、実在の「児童」とそうでない「児童」に分けて考えている判例があります。
07/15/05 18:33:08

とりあえず通行人 wrote:

 横浜地裁では、被害児童の氏名年齢・推定年齢及び数が特定されない訴因での製造罪有罪判決が確定していような感じです。多数の児童の入浴シーンだった記憶です。
07/20/05 13:53:58

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

 なんで知ってるんですか?伊香保温泉事件。
 一部被告人は実刑なのに訴因不特定が問題にされてないのは問題だと思いました。

 実は、印刷による写真集の製造でも特定されていない事例を見たことがあります。これも訴因不特定が問題にされてないのは問題だと思いました。
07/20/05 18:09:09

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

 こういうときは、製造罪は別格という判決を持ち出すんですよ。

東京高裁平成15年6月4日(被告人上告)
児童ポルノ製造罪及び同所持罪は,販売等の目的をもってされるものであり,販売罪等と手段,結果という関係にあることが多いが,とりわけ,児童ポルノの製造は,それ自体が児童に対する性的搾取及び性的虐待であり,児童に対する侵害の程度が極めて大きいものがあるからこそ,わいせつ物の規制と異なり,製造過程に遡ってこれを規制するものである。この立法趣旨に照らせば,各罪はそれぞれ法益侵害の態様を異にし,それぞれ別個独立に処罰しようとするものであって,
07/20/05 18:13:16

とりあえず通行人 wrote:

 それで横浜地検は、一旦追加的訴因変更したの製造罪をその後訴因撤回して、わざわざ追起訴したんですね。納得!
07/21/05 01:33:35

悪しき先輩 wrote:

 その訴因処理は,起訴検事が奥村先生が引用された判例を知らないで追加的訴因変更をしてしまったからでしょう。
07/21/05 01:44:31

悪しき先輩 wrote:

 児童買春・ポルノ禁止法は,議員立法によるツメの甘さという限界があったみたいですね。法務省や警察庁提出法案なら,ご存知内閣法制局の血も涙もない審査で徹底的にやられるので,さほど問題は多くないでしょうが(国会審議段階の修正による条文の項ズレまでは同局がみないので見過ごされるようですが…笑…)。
07/21/05 11:56:58

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

東京高裁H17.12.26を入手しました。
児童ポルノ製造罪と児童福祉法違反(淫行させる行為)との罪数とか、
かすがい現象の排除とか
管轄違いの判断基準とか
二重起訴の判断基準とか
「姿態をとらせ」の構成要件性とか
http://d.hatena.ne.jp/okumu...
http://d.hatena.ne.jp/okumu...
http://d.hatena.ne.jp/okumu...

 ややこしいから少年法37条を廃止してほしいと思っています。
01/07/06 08:41:11

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

 
 少年法37条があるがための論点というのも多いのですが、立法論として、少年法37条を廃止して、支障あるでしょうか?
 解釈論として、数罪のうち、少年法37で家裁管轄となる事件がある場合、全部を刑訴法8条で家裁事件に、併合することはできないでしょうか?
01/08/06 14:49:12

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

 よく知らないのですが、
 家裁管轄の児童福祉法違反とか未成年者飲酒とかについて、犯人の手続きにおいて、家裁独自の被害者保護なんてやってるんですか?
01/08/06 18:05:30

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

外国から直接通信販売(提供罪)する行為に伴う輸出行為に「提供目的外国から輸出罪(7条6項)」が成立するか?
という問題にはまってしまいました。
http://d.hatena.ne.jp/okumu...
 国際郵便などで発送する行為は、提供罪の実行行為そのものだと思うんですが、それでも「提供目的外国から輸出」なのか
ということです。
01/17/06 19:37:39

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

ご教授ありがとうございます。
言葉足らずでしたが、
問題にしているのは4項提供の目的での輸出です。

特定少数への提供目的輸出は輸出罪にならない
  犯人(外国)→(輸出)→ 輸入者(日本)→(提供)→特定少数
6項は不特定多数への提供目的輸出ですから、
  犯人(外国)→(輸出)→ 輸入者(日本)→(提供)→不特定多数
が予定されていると読みました。

「提供」という物の移動に伴う所持・運搬・輸出入はどこまで「提供」に含めるのかということだと思います。
普通、運搬罪・所持罪なんて別途考えないから、輸出も考えなくていいんじゃないかと思いました。
01/18/06 07:48:30

奥村徹(大阪弁護士会) wrote:

判例http://courtdomino2.courts....$DefaultView/DF3953F543B345504925711D002DFE4F?OpenDocument

弁護人の解説
http://d.hatena.ne.jp/okumu...
02/23/06 08:16:34
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