Complete text -- "判例とその読み方"

25 February

判例とその読み方

 春一番で花粉が乱れ飛び、苦しむかと思いきや、雨が降りはじめ、るん、るん状態。これなら、地獄のような3月上旬を乗り切れるかも。。。

 報道とか、学生の答案とかみていても、裁判所の判断をどうみるのかというのは、なかなか難しいようです。ただ、国民の知る権利に奉仕しているのだという自負を語る前に、司法担当の記者さんたちのなかには、もうすこしきちんと勉強して欲しいという人もいます。

 そういう私も、判例とはなんぞやなんて難しいことはまったくだめです。そもそも判例とは、を語るほどえらくもないです。なので、お世話になった先生の本《中野次雄編『判例とその読み方』(有斐閣)》から
判例というものは、それぞれの事件の具体的事実との関連において個性を持っており、その個性がその判例の適用範囲を決定するのであるから、いやしくも判例を読むという以上は、事実を度外視するわけには行かないのである。われわれ実務経験者が判例を読むとき、神経質すぎると思われるほど具体的事実を追求してその判例の個性を確かめようとするのはそのためで、その点は判例を読むすべての人にどうしても留意してもらいたいと思うところである。



 私が、一部の予備校の本が嫌いなのは、判例ないし裁判例が、具体的な事案との関係において成り立っていることを捨象して、あたかも抽象的な理論構成をしているかのような錯覚・誤解を与えているからです。だから、それを鵜呑みにして「判例は……」なんてやると、ついいじめたくなります。

#これがそのまま今度の学会で自分にはねかえってきませんように(-人-)
01:19:16 | dolus | | TrackBacks
Comments

よしなが wrote:

トラックバック(もとい、コメント上でのリンク)をいただいてありがとうございました。
予備校テキストもそうですが、古い判決は、判例要旨自体が事実を捨象した書き方だったように思います。そのため、かつての判例については、その射程を見極めていくという研究が必要なのかなと思っています(できたらいいなという希望です)。

それと、花粉の飛散が遅れると、それだけたまった花粉が一気に飛ぶということだから用心が必要という話を聞きました。私もアレルギーがあるので、戦々恐々としています。
02/25/05 20:12:24
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