Complete text -- "個別行為説"

19 February

個別行為説

 忘れないうちにメモ。
 以前より、答案や某予備校の本を見ていて、明らかにおかしいと感じていたことが、先日、分科会の準備の研究会で、正しかったことが判明。今度から遠慮なく×をつけることができます。
#今までは、多少遠慮してました

 間接正犯や離隔犯等で、利用行為、発送行為を実行行為としておきながら、結果発生の実質的危険のあるところで、実行の着手を認めるべきだということで、実行行為と実行の着手を分離して、実行の着手を個別的に把握すべきだという書き方が多いのです。
 でも、これではこの見解の前提である、実行の着手=実行行為の開始が維持されないことになります。もしそうなら、あえて個別行為説というまでもなく、結果説といえばたりるのです。
 こんなことは、だれもいっていないだろうと思っていたのですが、主張している先生に確認して、やはりそうだとわかりました。

 上記の勘違い答案の考えでは、曾根説みたいに、構成要件レベルの形式的な実行行為と処罰を基礎づける実質的な違法性判断をわけるという考えに近いのですが、それでは、実行の着手=実行行為の開始ではあっても、結果発生の実質的危険性と実行の着手は一致しないことになり、論理矛盾に陥ることになります。
 個別行為説は、実行行為の開始=結果発生の現実的危険とするところは維持しているのです。そのことを確認することができました。

 それより、久々に密度の濃い議論ができました。最近、なかなか議論する相手がいないので、寂しいのです。もう一つは、まったく立場の違う人と議論することにも意味があります。同じような立場同士であれこれいっても、どうしても、最後は、ちゃんちゃん、と終わってしまうことが多いのです。他流試合は重要です。今回は、自説のとんでも見解をますますとんでいかせる契機を見いだせました。
# 主観的要素を間主観的にとらえようというつもりではあるのですが。



00:26:57 | dolus | | TrackBacks
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