Complete text -- "虚実綯い交ぜ"

12 March

虚実綯い交ぜ

 ♪どうでもいいですよ〜(by だいたひかる)なんですが、はやり気になるもの。
 ネットやインターネットをバーチャルとか、パラレルワールドとかなんてたいそうなことを書いてるが、それがどうした、とちょっと前のものを読んで思う今日この頃です。
 まぁ、ネットじゃない実社会を「リアル」とかっていう専門家っぽい人たちも多いので、それでもいいのでしょう。じゃ、realの対になる概念は何かといえば、imageとかimaginaryじゃないのかと、貧弱な英語力では思うのです。だから、ネットはリアルと違うんだということは、ネットの世界はimageなんだということなのでしょうか。だったら、ネットの世界の法と「リアル」世界の法は違うこともありでしょう。
 どうもサイバー法とかネットワーク法とかに関心がある声の大きい人たちは、「すべからく」そうある「べし」と主張しているようにもみえます。
#漢文で「須」とあったら、何でもかんでも再読文字とするようなものであったり、「すべからく」を「すべて」という意味にとるようなものでしかない気がします。

 でも、ネットの世界はvirtualかもしれないが、所詮現実社会の一部でしかないわけで、その意味で、actual/physicalな社会の法が妥当するのも当然なわけです。ある程度、その特殊性に配慮をすべきとしても、基本的な法の諸原理があてはまらないわけでないし、もしそのまま適用することに問題があるとすると、実はその適用しようとした法が法ではなかったりする可能性もあります。
 あと、インターネットが米国を中心に展開されているからと、なんでもかんでも米国法を参照するのも、もうちょっと英米法を理解してからしてね、といいたいところもあります。Common Law系統の法原理とEquity系統の法原理を綯い交ぜにしたままでは、わが国への適切な移行はむずかしいと思うのです。

 英米法が、Common LawとEquityの法原理により豊かに展開されてきたように、あるいは、imaginaryにからめていえば、数がreal numberとimaginary numberに広がり、複素平面で展開されたように、実社会real worldとネット社会imaginary worldで法が展開されるのかもしれません。でも、同一平面で展開される以上、やはり共通の原理がそこに存在するわけで、それを追求することが必要となるはずです。

 それでも、ネットは「リアル」なわけで。。。

# 最近流行の SOX法も、ガバナンス、内部統制ということであれば、Common Lawの系譜にあるわけで、それをEquity的性格の種々の保護制度と結びつけて考えるのも、いかがなものかと。
23:57:19 | dolus | | TrackBacks
Comments

g could wrote:

Thanks for finally writing about >けったいな刑法学者の戯れ言 <Liked it!
06/21/20 23:24:32
Add Comments
:

:

トラックバック