Complete text -- "小論文入試のための弊害かも"

16 February

小論文入試のための弊害かも

 ようやく採点終了。最近採点していて、他大学の教員の方々とも話題になるのが、まったく改行しない答案。問題の所在、自己の考え、理由づけ、まとめなど、すべてが一つの段落で書かれている。
 いろいろ学生とかにきいてみた結果、その理由の一つが、大学受験予備校や高校での小論文試験対策授業にあるということらしい。そのようにしていた本人自身がそういったのだから、かなり確度は高いかもしれない。
 入試の小論文では、一切改行せずに論文をめいっぱい制限字数ないし行数まで書くようにとの指導が、そういった授業ではなされているということ。しかし、50字以内で書きなさいという問題とかならともかく、改行が一切なされず、文章の構造がみえない論文なんて、はたしていい評価がされるのか、それ自体私は疑う。そのような文章には、論理性、説得力がまったくないからである。文学的な文章でも、情感を出したり、情景を描くために、適切な改行は必要であろう。
 別に、司法試験の答案にあるような数字を振れとはいわないが、自らの主張をきちんと示すには、適切な文章の構成とそれに見合った表現形式が必要である。
19:09:49 | dolus | | TrackBacks
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