Complete text -- "SYNが通信?"

23 December

SYNが通信?

 某研究会でいつも問題になるのは、業法所管官庁の変な概念規定。電気通信事業者は「通信の秘密」を保持しなければならないのですが、じゃどこまでが通信の秘密なのかということになるのです。なんか事業者さんたちは、SYNフラッドとかされるときに、SYNパケットの中身をみることすら、通信の秘密を侵すものだといわれているらしいですね。で、攻撃を受けているときは、その攻撃に対する対処だから、正当防衛とか緊急避難とかで正当化されるとかいうらしいです。
 正当防衛や緊急避難なんてことをいうことも、少々信じられないくらいで、もうすこしこれらの制度をきちんと理解してもらいたいところです。制度の本質的なところがわかっていないから、そういうことになるのだと思います。自殺の書き込みの情報開示のやつも、表面的なところだけとりつくろっていて、緊急避難の本質的なところが理解できていないのです。そうやって、ネットワークは違うからといって、制度を弛緩させていくのは、いかがなものなんでしょうか。


 そもそも、通信の秘密といっても、SYNパケットが通信だなんていうことが「通信」を理解していないのでしょう。そうやって、通信の秘密をわけもなく弛緩させるから、他の制度も弛緩させちゃってしまうので、もうちょっと法的な思考をしてよ、といいたくなります。
 最近、サイバー法が好きな実務家をはじめ、禰子も釈子も、アメリカ法とかいっているので、連邦法をみれば、EPCAがどういった形で、電気通信におけるプライバー問題をとらえているのかすぐわかるはずです。そうしたら、発信者情報が「通信の秘密」の問題だなんて断定的にいえるわけないのです。
#じゃぁ、ヨーロッパはどうかとなりますが、最近は、大陸法は、日本の実務で虐げられてますからねぇ。
21:42:22 | dolus | | TrackBacks
Comments

通りすがり wrote:

SYNパケットの中身って……SYNパケットにデータってあるんでしょうか?
シーケンス番号とかウィンドウサイズとかを見るのが通信の秘密を侵すとすると,SYNパケットと判断してる時点でフラグの中身を調べてる訳だから通信の秘密を侵してることになりますね。
ルータって実は検閲装置だけど正当業務行為としてかろうじて違法性が阻却されるわけですねw
12/24/05 15:09:46
Add Comments
:

:

トラックバック