Complete text -- "今日きかれた質問から"

21 October

今日きかれた質問から

 資料室でコピーをしていたら、後ろから、
「あんた、セキュリティ関係をやってんだってね。なんでまたそんなのにかかわってるの?」
と、えらい1先生が。
 さそわれたから、というのが率直なところです。そんなに詳しいわけでもなく、大学の先輩のハッカー検事の足下にもおよびませんです。ただ、最近思うのは、ささやかな抵抗をしようというか、異論!反論!Objection!を唱える勢力もあってもよいかなとは思ってます。それでも、木っ端学者なもんで、吹けば飛んでしまうのかもしれません。
たとえば、奥村弁護士のブログ
弁護・検察の意見書に注目しましょう。 文理解釈の学者しかいないはずですが。
 次回公判は11月20日。弁護側は、情報学に詳しい大学教授による技術的な意見書と、コンピュータ犯罪に詳しい大学教授による法的な意見書を提示する予定。裁判長は、検察側にも次回までに法的な意見書を用意するよう要請した。

 検察は、電子計算機の内部で、管理権者の通常の意思でわけるというホテルとかの住居侵入罪に近い認識2のようです。

とありました。そこで、コンピュータ関係の論文を書いた刑法学者できちんとした解釈論のできる人をぱぁっと浮かべてみたのです。(敬称略)
山口、佐伯(以上、東大)、堀内(中央大)、前田(都立大)、成瀬(東北大)、山中(関大)、佐久間(阪大)、塩見(京大)、夏井(明治:刑事法専門ではないですが)
こんな感じです。みごとに政府側あるいは各省庁側によっている気がします。だったら、わずかでも抵抗勢力になろうかという気はしています。そいうこともあって、最近、この手の論文を書き始めています。
#とはいえ、不正アクセス禁止法案がでたころ、これでは今回のACCS事件のようなときに明確性の点で問題となるといったのに、無視されたので、力はないです。ちなみに私は上記引用事件で意見書なんか求められていません。



1「えらい」というのは「目上の」という意味での匿名表記です。
2不正アクセス禁止法ができたころ、このような考えしか述べないのでは学者としておわりといっていた人がいます。もっと批判的に考えろということでしょうか。
01:45:18 | dolus | | TrackBacks
Comments

DF研究会悪しき先輩 wrote:

大学の先輩の良いところだけマネしましょう。失言はマネしないように。_| ̄|○
不正アクセス禁止法は、バルナビリティ攻撃を全部包含して立法したと解釈できます。(パスワード破り+非パスワード破り)=無権限アクセス
10/31/04 01:06:13

通りすがり wrote:

>最高裁のものなら最高……持ち点全部
「児童ポルノの罪数では,大阪高裁と東京高裁の判例が分かれているので,最高裁の判断が待たれる。」と学者の先生は書いてもよろしいのですが,判決書く側ともらう側は,「早くどっちかにしてくれ〜」が本音です。
11/05/04 21:00:48
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