Archive for February 2005

25 February

判例とその読み方

 春一番で花粉が乱れ飛び、苦しむかと思いきや、雨が降りはじめ、るん、るん状態。これなら、地獄のような3月上旬を乗り切れるかも。。。

 報道とか、学生の答案とかみていても、裁判所の判断をどうみるのかというのは、なかなか難しいようです。ただ、国民の知る権利に奉仕しているのだという自負を語る前に、司法担当の記者さんたちのなかには、もうすこしきちんと勉強して欲しいという人もいます。

 そういう私も、判例とはなんぞやなんて難しいことはまったくだめです。そもそも判例とは、を語るほどえらくもないです。なので、お世話になった先生の本《中野次雄編『判例とその読み方』(有斐閣)》から
判例というものは、それぞれの事件の具体的事実との関連において個性を持っており、その個性がその判例の適用範囲を決定するのであるから、いやしくも判例を読むという以上は、事実を度外視するわけには行かないのである。われわれ実務経験者が判例を読むとき、神経質すぎると思われるほど具体的事実を追求してその判例の個性を確かめようとするのはそのためで、その点は判例を読むすべての人にどうしても留意してもらいたいと思うところである。



[Read more of this post]
01:19:16 | dolus | 1 comment | TrackBacks

02 February

判例評論―再掲―

2月1日発売号の判時が送られてきました。定期購読ではなく、判例評論を書いたからです。
 没収の量刑判断をどうするのかということは、もう少し考えてみる必要がありますが、かなり特別予防的考慮のある刑罰であることは否めないので、罪刑の均衡の判断が後退することになるのかもしれません。
 電磁的記録といえども、有体物に化体しているものが没収で問題になりますので、基本的には、犯罪供用物、犯罪組成物を構成する有体物が没収対象でかまわないはずです。電磁的記録を化体している有体物が犯罪組成ないし供用物件でないのに、電磁的記録それ自体が犯罪組成ないし供用物件となる事案というのは、ほとんどないはずです。
 本件の判決のように、電磁的記録の没取を刑法が予定しないと解釈しても、通常の案件では困ることはないでしょう。ただ、第三者没収にかかる場合に問題となりますが、これは審議中の改正刑訴法で対処される予定です。
[Read more of this post]
15:05:13 | dolus | No comments | TrackBacks