Archive for 20 October 2004

20 October

中止犯

 中止犯の法的性格について、ゼミのときはうまくまとめることができなかったので、再度挑戦。また、まとめきらないかもしれません。
 中止犯の法的性格を考えるとき、二つの別の次元のことが一緒に議論されている気がします。一つは、中止犯が成立するとき、犯罪成立要件のいずれかに影響が及んでいるのかということと、もう一つは、中止犯の刑の必要的減免の根拠をどのように考えるのかということです。前者は、違法減少・阻却なのか、責任減少・阻却なのか、一身的刑罰消滅・減少事由なのかという問題で、後者は政策的根拠により説明するのか、犯罪の実質的な観点を持ち出すのかということです。
 たとえば、中止犯を刑罰消滅・減少事由と解する場合であっても、その内実として責任減少という実質を考えることは可能であるということです。刑法105条の刑の免除は、親族による行為について期待可能性(責任)が減少するということで認められたとされていますが、他方で刑罰消滅事由にあたるものとされます。このように犯罪論体系における位置づけとその実質の議論はわけることができます。

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03:21:55 | dolus | No comments | TrackBacks