Archive for April 2005
29 April
奪取罪における客体と管理可能性
財物の意義に関して、有体性説と管理可能性説の対立があります。管理可能性説は、財物を管理可能なものはすべて財物であるとします。周知のように、旧刑法時代の大審院の判例(明治36年5月21日刑録9輯874頁)で、電気窃盗が処罰可能かどうかが問題となり、電気は管理可能だとして財物性を肯定してことにより、有力化したものともいえます。しかし、管理可能性の概念を財物に使うのは、現行刑法の財産犯の体系からみて困難なものといえます。というのは、管理可能性を認めることができるものをすべて財物とすると、ほとんどすべての利益窃盗が処罰可能になりうるからです(牧野・瀧川)。
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dolus |
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