30 July

キャレットとチルダとオーバーバー

 授業の復習用の練習問題をネットで公開して、学生に知らせています。URLは、
http://www.le.chiba-u.ac.jp/~ishii/i/xxxx.html
とかです。
# /i/は携帯でも閲覧可能にしているからです。

 で、今頃になって(今度の火曜日が期末テスト)、上記頁がみれないとのメールがきました。
# 授業で毎回見られない人はいないかときいていたので、そのこと自体も変なのですが。これはおいておいて。


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13:29:04 | dolus | 2 comments | TrackBacks

22 June

牽連犯

 講義後の学生の質問「殺人や強殺と死体遺棄が牽連犯にならないのはなぜですか。傷害致死と死体遺棄はどうなるのでしょうか。」
 デジャブではないかというくらい、タイミングよすぎです。

 刑法学会の休憩時間に、ハードディスク大学の人たちと、罪数論の話をしていたのですが、そのとき、なぜ殺人罪と死体遺棄罪(ないし死体損壊罪)が牽連犯ではないのかという話になりました。もともと牽連関係といっても、それほど厳密に理論的に明確に決まっているわけではないので、司法試験受験生は覚えるしかないねということでした。そのよくわからないものの筆頭が、殺人と死体遺棄が併合罪とされることです。
 元検事で実務家教員のかたとσ(^_^)の考えは、ほとんど同じで理由でした。牽連犯は、科刑上一罪となるので、公訴事実の同一性(単一性)があるとされます。すると、訴訟法上の効果がすべて二つの犯罪に等しくおよんでしまう点で妥当ではないということです。

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01:24:38 | dolus | No comments | TrackBacks

29 May

一見さん、お断り。

 白浜前後から、にわかに匿名でいいのか、なんてことで、騒がしくなっているようですが、刑法の世界では、匿名だからこそ犯罪になるってことがあります。典型的なのは、二項犯罪です。
 食い逃げタイプ(支払段階で欺罔して支払を免れるパターン)の詐欺で、犯罪が成立するのは、まさに行為者が匿名であるからなんでしょうね。二項犯罪が成立するには、一項の財物の移転に相当する具体的、確定的な利益の移転が必要であるとされます。しかも、債権に関しては、法的な処分だけではなく、事実上の利益の移転をも考えるというのです。
 乱暴ですが、簡単に言えば、二項犯罪を認めるには、債権が消滅したのに等しいような状況が作出されることが必要で、代金の支払いに関して二項犯罪が成立するには、事実上の債務免脱ないし事実上の支払猶予といえるかどうかが基準となります。そのとき、行為者と被害者とが知り合いであったり、隣近所であるときは、逃げたからといって、利益の具体的、明確な移転は認められず、まさに一見の客である、タクシーなら客をひろって乗せるわけで、どこのだれかはまずわからない、ということで、逃げられてしまうことが、具体的な利益の移転と評価されることになります。


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02:10:51 | dolus | No comments | TrackBacks

18 May

瀧川説の財産犯体系

 瀧川説は、財物について徹底した管理可能性説を採るようですが、その財物概念、さらにはその背後にある財産犯論には、注目すべきものがあるようです。
 たしかに財物は管理可能性のある物として、各種エネルギーをも財物とすべきであるとしますが(刑法各論(増補・1968年)108頁)、人の身体が財産権の対象とならないことから、人の労力は除外され(107頁)、暴行、脅迫をもって債務免除の意思表示をさせることが利益強盗にあたる(128頁)とされていますので、債権や役務の提供は利益になるようです(しかし、他方で権利も財物とされている。109頁)。
 ここで注目すべきなのは、管理可能性の意義に関して、「財産権の対象として支配ができる物という意味、即ち、経済的効用のある物」とされ、物の経済的効用(価値)が財物の本質であるとされているところです(108頁以下)。
 
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04:36:22 | dolus | No comments | TrackBacks

11 May

財産上の利益と管理可能性

 財産上の利益の例としては、債権が典型的なものとしてあげられ、その他に役務の提供をあげることが多いでしょう。ところで、役務の提供というのは、管理ないし支配の可能性があるといえるでしょうか。換言すると、1項の財物罪に相当するような利益の移転といいうる形態で、役務の提供は移転するといえるのでしょうか。
 たしかに、役務の「提供」ですから、提供という語感が利益の「移転」に相当するような気もします。しかし、サービスを提供する側は一定の活動をしていても、それと同等の活動をえているわけではないので、ここには利益の移転がないといえます(参照、町野・犯罪各論の現在)。むしろ、この場合、当該役務の提供が有償である場合、すなわち対価を必要とする場合、サービスを提供した側が債権を取得するにすぎないのです。
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