Archive for 03 June 2005

03 June

緊急避難と権利基底的社会

 緊急避難は、その国の社会・法システムを反映する側面があります。緊急避難を認めない、あるいは、法的性格としてせいぜい責任阻却であるとする考えは、あくまで個人の権利保障の絶対性を要求し、権利間相互のトレードオフを認めないものです。個人は自己の権利を防衛するためであれば、緊急避難行為による侵害を正当に排除することもできるのです。自らのわずかな財産や権利を守るためには、他人の生命やその他重大な権利を犠牲にすることも辞さないというものです(カントやノージックの考えからすると、このような方向になるでしょう)。
 緊急避難を違法阻却として構成する場合は、権利間のトレードオフを認め、その正当化を利益衡量のみに求めるならば、権利の最大化のためには権利侵害を大幅に許容するものとなります。このような考えを貫くときは、最終的には(社会的ないし精神的もしくは肉体的)強者の権利保護を実質的に容認することになります。カルネアデスの板の事例において、最後に板を確保できるのは、腕力の強いものであり、この者の実力行使が正当な行為とされるのです。
#ゼミでは、権利にも弱肉強食を妥当させるという意見がありました。


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17:21:01 | dolus | No comments | TrackBacks

いやはや

 気になっていたICチップ付きのパスポートが、来年4月から発給されそうで、それまで更新は待つことに。これで、JSTの研究者交流での1月末のフロリダ行きはなんとかなりそう。
 と、思っていたら、参加するためには、WG11.9のメンバーになりましょう、との連絡が。。。最低限3年に1回paperか、active roleをする義務があるらしい。こういったところは理系の研究会・学会の特徴なのかも。
#早稲田の刑事法研究会でこんな義務を課していたら、メンバー半減しているかも。


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13:42:32 | dolus | No comments | TrackBacks