Archive for June 2005

22 June

牽連犯

 講義後の学生の質問「殺人や強殺と死体遺棄が牽連犯にならないのはなぜですか。傷害致死と死体遺棄はどうなるのでしょうか。」
 デジャブではないかというくらい、タイミングよすぎです。

 刑法学会の休憩時間に、ハードディスク大学の人たちと、罪数論の話をしていたのですが、そのとき、なぜ殺人罪と死体遺棄罪(ないし死体損壊罪)が牽連犯ではないのかという話になりました。もともと牽連関係といっても、それほど厳密に理論的に明確に決まっているわけではないので、司法試験受験生は覚えるしかないねということでした。そのよくわからないものの筆頭が、殺人と死体遺棄が併合罪とされることです。
 元検事で実務家教員のかたとσ(^_^)の考えは、ほとんど同じで理由でした。牽連犯は、科刑上一罪となるので、公訴事実の同一性(単一性)があるとされます。すると、訴訟法上の効果がすべて二つの犯罪に等しくおよんでしまう点で妥当ではないということです。

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01:24:38 | dolus | 1 comment | TrackBacks