Archive for May 2005

31 May

工藤静香の理論

 ゼミでいったら女子学生を中心に受けたので。。。
 実務では、目配せによっても共謀関係が認められ、共同正犯とされ、このようなMUGO・ん…でも共謀を認める考えを指しています。
ここまでがゼミでの話だったので、以下少々敷衍しましょう。命名を思いついたオリジナルは、悪しき先輩さんです。

 正確には、共謀共同正犯の成立要件としての共謀にかかる工藤静香志向理論といいます。本来、共同正犯は共謀共同正犯を認めるとしても、その正犯性のゆえに、共謀の認定は正犯としての処罰に値する実体が必要です。しかし、実務上、共謀関係は、「目と目で通じ合う」ことによっても認められることがあります。おそらくは、「そうゆう仲」であることを背景にして、場合によって、目配せ等あうんの呼吸による共謀を認めているのでしょう。このようなあうんの呼吸によって共謀関係を認める以上、反対に、共謀関係からの離脱も、あうんの呼吸によって認めることが妥当であり、それを因果性等を理由にして頑なに拒否するのは、理論的な一貫性を欠くものといえます。



[Read more of this post]
23:25:44 | dolus | 5 comments | TrackBacks

19 May

殺人の道具は障礙でない

 法科大学院受験準備答案作成ゼミを進学希望者の研究生を中心にやっていますが、なかなか古典的@=(--@v)もといオーソドックスな理論構成が多いです。違法性の錯誤は、みなさんそろって人格的責任論に基づく制限故意説でした。ということもあってか、抽象的事実の錯誤において、構成要件の実質的重なり合いを論証することにひじょうに苦しんでいました。オーソドックスな(?)団藤説は構成要件の実質的重なり合いなんていいませんから。

 話は変わって、間接正犯の正犯性です。

[Read more of this post]
04:40:10 | dolus | No comments | TrackBacks