Archive for 18 December 2004

18 December

可罰的違法性の理論

 判決文の詳細はわからないのですが、久々に懐かしい概念が判決で使用されたようです。イラク派兵反対のビラを自衛隊の官舎へ配布するための敷地への立入について住居侵入罪が問われた事案で、どうも裁判所は可罰的違法性がない(記事によると「刑罰に値するほどの違法性はない」)として、無罪の判決を下したようです。この点について若干質問を受けました。
 可罰的違法性というと、一厘事件しか思い起こせない人も多いかもしれません。もしかしたら、学部の刑法の講義ではこの点だけを述べて終わりということも多いかもしれません。実際、私の講義でも、ほとんどやりません。というのは、(少なくともカリキュラムの上ではまだ履修していない)憲法の人権論をやっていないと十分理解できない判例を扱うことになるからです。
# 同じ理由で、罪刑法定主義のところも、やりずらいものがたくさんあります。
[Read more of this post]
22:27:35 | dolus | 20 comments | TrackBacks