Archive for 10 October 2004

10 October

加藤摩耶「刑法における自己決定の意義と射程」

広島法学26巻3号に掲載されていた論文です。先週のマスターの授業で扱いました。
 個人を相互に補完し補完される共生的存在としてとらえ、自己決定の問題を自己決定を取り巻く社会的「場」を重視して考えるべきであるとし、その「場」において強者と弱者の関係を放置したまま、自己決定を論じるのは妥当でないというものです。

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クロロフォルム殺人事件

 忘れないうちに。6日(木曜日)の補充。
 最決平成16年3月22日判タ1148号185頁をゼミで扱ったのですが、なかなか議論が白熱しました。実行の着手時期について、従来の判例との関係や実質的客観説からどう判断するのか、報告者がかなりがんばってくれました。
 事案は、クロロフォルムをかがせて失神させ、車に乗せて車ごと海中に落下させて溺死させようとしたところ、海中で溺死したのか、クロロフォルムの吸引により死亡したのか特定できなかったというものです。
#報告者によるとクロロフォルムの経口致死量は35ccだそうです。

裁判所は、クロロフォルムを吸引させた段階で殺人の実行の着手を肯定したのですが、報告者がこれにいちゃもんをつけたことで議論が白熱しました。
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